おのうづめのうづ乙川龍神

2年ぶりに帰省した折に、ずっと気になっていた乙川龍神をお祀りする「めのうづ社」と対岸の「龍宮之宮」に訪れた。朱い鳥居の建てられためのうづ社の右手を下りてゆくと鏡の川面が現れた。
この地を上空からみると、乙川はちょうどSの字を描いている。川の流れが堰き止められ、水面が鏡のように樹木を映しだしている。ここには多くの龍神様が集まると云う。
めのうづ社の川辺の向かいの神明宮の鬱蒼とした森を抜けると、丘の上に龍宮之宮がお祀りされている。お酒の香りがする。誰もいないと思っていたが、法螺貝を持った人がベンチに座っていて驚いた。

龍宮之宮をお参りした後、その方に尋ねてみるとこのお社をお守りしているのだと云う。お酒は龍神様に捧げて注がれたのだろう。この地は、めのうづに対しておのうづと呼ばれている。お社の建つこの丘は磐座(いわくら)で全体が岩で出来ている。この下の乙川には白龍がお住いになる竜宮城があり諏訪湖まで繋がっていると云う。
龍宮之宮は水火倭(みかわ)龍宮之宮と云い、御祭神は、船玉姫(ふなだまひめ)之大神、乙姫(おとひめ)之大神、玉依姫(たまよりひめ)之大神、面足姫(おもだるひめ)之大神、うがやふきあえず之大神、八大竜王(はちだいりゅうおう)之大神、恵比寿大黒天(えびすだいこくてん)之大神、男之頭女之頭(おのうづめのうづ)之大神の八柱をお祀りする。

守り人の方に許可をいただいて、川辺まで下りてゆくと大きな岩場が存在している。この岩場は古代の祭祀場であったそうだ。川面が深い緑青をたたえて、太古の竜宮城につながっている。お社のあるこの地の神明宮の側には、丸山古墳があり聖なる場所であったのだ。
もう一つこの地には深い思い入れがある。乙川を渡る東名高速道路の橋脚の向こうに、幼い頃に住んでいた家があった。その家は乙川の崖の上に建てられており、この家の庭でポーズをとった幼い私を写した写真が残っている。その写真は、高速の橋脚越しにちょうどこの岩場に向かって写されている。そういえば、上京してから住む家は、川の側ばかりであった。産土神ともいえる、この地に坐します龍神様は、ずっと私のことをお護りしてくださっていたのかもしれない。

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